「セットインスリーブの前Vにしたワケ。」

後ろ姿がスッキリ
肩が少し落ちる雰囲気が素敵
バックポケットからバンダナが ” チラッ ” の丈感が好き

 

 

正面のVガゼットがちょっとしたアクセント、そして前Vを選ぶところが ‟ さり気ない ” 古着好き

私が好きな ” さり気ない ” Sweat

 

追伸
上の着画、4種のスウェット画像は家族の日常着、私の仕事着として着用し、約3年で100回くらいは洗濯しているモノ。
着れば着るほど、洗濯すればするほど、雰囲気が増しています。

これが職人さんの真心「数年後のシルエットを意識して作る」のカタチ。

言葉で上手く表現しようとすると先入観を与えてしまいそうなので、ぜひ画像から想像してみてください。

左:(上)茄子紺、(下)空色鼠

右:(上)生成、(下)墨

 

☆☆☆

 

ここからは私の昔話、


私が「 セットインスリーブの前Vにしたワケ 」を詳しく記します。

 

私がまだ10代だった頃、もう30年以上前のお話です。

1990年代の古着ブームです。

古着を取り上げる雑誌の種類はかなりあったと思います。

 

そんな90年代、高校生だった私がよく通っていた古着屋さんがありました。
その古着屋さんのレジ後ろには両Vスウェットが飾られていました。

 

高校で剣道部だった私はバイトする時間とお金もなく、そのスウェットに憧れていました。

「雑誌に載ってるようなスウェットはあれかぁ。すごいなぁ、、、」ってな具合です。

当時は、今のように両Vスウェットが簡単に手が届く所(ハンガーラックにかかっていたり、棚に畳んで置いてある)ことはなかったように思います。
そのため、手に取って見たことすら記憶にありませんし、当時の店員さんは怖そうなので試着なんてもってのほかでした。

 

そんな両Vスウェットに憧れていた私も高校卒業し、ようやくアルバイトが出来るようになりました。

そんな学生時代、古着屋さんに行って必死に探していたのが ” リブ長 ” スウェットでした。

当時はスウェットを詳しく説明してくれる資料はなく、

前V、両V、脇リブ、リブ長、セットイン、フリーダム、ラグラン、リバース、、、そんな見分け方くらいしか知りませんでした。


そんなヴィンテージの中でリブ長のシンプルなスウェットはアルバイトを頑張って、無駄遣いしなければどうにか買えるレベル。

「おっ、これいい、掘り出しモノだ! でも ちっちゃ。」ってな具合で楽しんでいました。

手頃のスウェットを2着買うか、もう少し我慢してmyサイズのリブ長スウェットを1着買うかでよく迷っていた事を覚えています。

そんな事もあり、私はリブ長のヴィンテージスウェットを一番見てきたなぁと振り返ります。

当時は多くのブランドさんがヴィンテージを意識したスウェットを展開していましたが、その多くが両Vスウェットだったと思います。
両Vスウェット着ている方は古着好きというより、ブランドさん好きだったんだろうと思います。

私もブランドさんの展開していた両Vスウェットを何着か買って着ていましたが、雰囲気がちょっと違っていました。

そんな違和感を持ちながら、街を歩いていて両Vではないリブ長スウェットを着ている人を見かけると、「きっとあの人は古着好き。雰囲気いいなぁ」と憧れていました。

 

そんな ” リブ長 ” スウェットばかりを見てきた私が、

「これっ、さり気なくてカッコいいなぁ、、」って感じていたのが

” セットインスリーブの前Vスウェット ”

私の記憶では、両Vスウェットを見かけるより、前Vスウェットを見かける方がレアでした。
(もしかしたら、前Vスウェットもお店の高い所に飾られていて、私が両Vだろうと勝手に判断していただけかもしれません。)

前Vが素敵と感じていたのはレアだったからではなく、

後ろ姿がスッキリしていて、
肩が少し落ちた感じが雰囲気あって、
丈が短くバックポケットからチラッと見えるバンダナが素敵。

正面のVガゼットがちょっとしたアクセントで、
Vガゼットを選ぶところは ” さり気ない ” 古着好き。

私が好きな ” さり気ない ” おしゃれ着。

 

「私がセットインスリーブの前Vにしたワケ。」

昔話でした。

 

学生を卒業し仕事をするようになり、少しずつ憧れていたモノを買えるようになり、今に至っています。

当時の純粋に「 カッコいい!雰囲気最高!」を地海空を通して形にしています。